境内南面玉垣修復工に携わって

2016/02/01
石嶽石工業有限会社 常務取締役 楠名康弘(伝統工芸士・1級技能士・現代の名工)

 一昨年の灯篭・社標塔移設工事に引き続き、深川神社様南面の玉垣修復工事42mをさせて頂きました。私は岡崎市で生まれ、祖父の代から受け継がれた石屋の家系のなか、子供の頃から石に囲まれて育ち、子供の頃は父親をはじめ職人さん達が石を叩く姿がとてもかっこよく見えて、不思議と自分も石の世界に引き込まれて行きました。作る事は本当に楽しく、疲れることが苦にならないくらいでした。

 入社から23年が経ち、灯篭や墓石だけではなく、建築や土木工事も行える総合的な石屋として歩んできた自分は、今回のような古い材料を再利用して修復する工事がとても好きです。過去の職人さんがどの様な思いで作り据え付けたか、などの声を感じながら行う作業に遣り甲斐を感じる、良き時間を過ごさせて頂きました。古き時代の製品は、手加工だけで本当に良く出来て要るため、過去の職人さんに負けないよう加工・施工ともに技術を高く拘りを常に持ち続けて、丈夫で見た目も良くすることを大切に2ヶ月間作業させえ頂きました。

 解体する前の状態は樹木が大きくなりすぎて土台ごと持ち上げてしまい、玉垣が倒壊する一歩手前の状態でした。ですが実際に解体をしてみると、過去の経験ではなかった玉垣すべてが土台に深はめ込み加工がされており、実際の予測とは大幅に解体作業の時間を費やしました。工場へ持ち帰って材料を洗いと手直しをし、すべてにはめ込みプラス、ダボピンを入れてより一層丈夫になるように致しました。

 施工に入る前に今回原因となった樹木を伐採・抜根を行い、出来る限り長持ちするような処理も行い、施工に入りました。設置された当初より必ず良くすることと次世代へ技術を伝えることを大切にして作業しました。若い衆には職人さんの作業を少し体験させながら作業にも取り組みました。作業は順調に進み、古い材料はすべて使い切り、物の大切さなども若い衆に伝えながら年内に完成することが出来ました。

 いつも作業をしていると、歩行者の方々が作業の経過を楽しみそうに見ながら通り、時には声をかけて頂き、期待を背負って仕事をさせて頂いたなと感じました。
 仕事は常に一生懸命!楽しんで学びながら真剣に行い、お客様から喜ばれる仕事をして行きたいと思います。石屋と言う伝統的産業を次世代まで引継ぎできるよう責任と自覚をもって笑顔も忘れずに邁進していきたいと思います。
 最後に深川神社玉垣移設工事の際に温かく見守って頂いた皆様のおかげを持ちまして、無事に作業が終了出来ました。本当に感謝いたします。有り難う御座いました。

石嶽石工業有限会社:岡崎市米河内町字梨形35−2
電話:(0564)46−3614
公式サイト http://www.ishiya-ishitake.jp

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