一の鳥居再建工事に携って

2014/05/27
株式会社平和合金 藤田 和耕

 総重量12tの巨大モニュメント
  建てたものに対してモニュメントというと聞こえは悪いのかもしれませんが、自分が実際経験のないものを製作することは、非常に難しいことでした。
  当初設計図面を見た時は、こんな巨大なものを製作できることに胸を高ぶらせておりました。それは鳥居というものではなく、私にとっては一個の巨大モニュメントでした。
  計算から導き出された重量は合計12t。しかも建てる場所に至っては国道沿いに面した場所で、そこに10mの建造物が立つことは、今までの私の経験にはなく、最初に重視したのは、鳥居本体よりも中に入る構造体でした。
 
  今回この鳥居のコンセプトはどんな災害が起きたとしても、何事もなくどっしりとそびえたち、人々の支えになる建造物であってほしいという設計者の願いがこめられています。
出来上がったものを見ると非常にきれいな石目ではありますが、鳥居本体はブロンズ゙製でできています。そのブロンズに対して、より強固な支えをしてくれているのがステンレス製の補強です。よくビルや大型建造物を建てる際は中の骨組みは鉄骨を使用しますが、今回は話が違います。専門的な話になってしまいますが、ブロンズと鉄は金属的に相性が悪く何もしなくても金属が腐食していくのです。

 そして、製作にあたって一番難しかったところは組立です。
工場では鳥居を実際に建てる組立を予定していました。しかし、いざ建ててみると工場のクレーンでは柱だけでも巨大すぎて建つまでに至らなかったことが誤算でした。急きょ柱を横たわらせて組み立てを開始しました。工場の半分近くのスペースを占有する巨大鳥居。それを見て私は「現場でも建つ!」と確信を持ちました。

 建て方当日、異様な緊張感でした。
それは、今まで建てたことのない重量物を建てられることに対してなのか、それとも、無事に建てられることを願ってなのかはわかりませんでした。施工現場での安全祈願を終え取り付け開始。クレーンのフックは頭上の電線をかいくぐり、柱を持ち上げていき無事2本の柱が立ちました。問題は最後に取り付ける笠木でした。パーツの重量は一番重くステンレスを含め4t。それを両の柱にうまくジョイントさせ、なお且つ建たせる。一番重要なポイントでした。

 施工が終わった後、ようやく気が楽になったことはよく覚えています。
今回この深川神社一の鳥居再建工事の製作責任者として携われたことを非常にうれしく思っております。また、この経験を自分の自信とし、大きく飛躍していきたいと思います。このような場を与えていただいた深川神社 二宮宮司様、総代の方々、伊藤平左エ門建築事務所 望月様、中部大学名誉教授 片岡先生、 信和建設様に深く御礼申し上げます。

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