平成25年度陶祖800年祭記念事業「市民訪中団」

2014/01/01
団長 加藤庄平

 今、瀬戸市では平成24年から26年の3年間、陶祖800年祭の記念事業が繰り広げられています。陶祖とは、中国で本格的な陶器の製造技術を学び、帰国後、瀬戸の地で良質な陶土を発見して製陶を広めたとされる加藤四郎左衛門景正、通称「藤四郎」のことで、800年祭は藤四郎が活躍した時代から800を経て、その偉業をあらためて称えようというものです。

 その事業の一環として、瀬戸のやきものの理解を深めようと800年祭実行委員会が主催する「市民訪中団」(参加19名)が結成され、私はその団長として11月13日から16日の4日間、中国・杭州市を中心に藤四郎ゆかりの地を訪れてまいりました。藤四郎は中国へ渡る時、曹洞宗の開祖として知られる道元禅師に従ったとされており、道元禅師の足跡は藤四郎のそれと重なるものと考えられます。

 今回訪れたところを少し紹介さえていただきますと、まず、杭州市・西湖にある浄慈寺ですが、ここは道元が法を受けて継いだ如浄禅師ゆかりの寺で、あとで紹介します寧波市の天童寺とともに日本曹洞宗の祖庭とされる名刹です。

  次に、道元が修行の為に入宋、最小に上陸した寧波市には道元禅師来宋上陸記念碑があり、1223年4月に到着したことが記されています。同市には道元が当地で最初に学び中国禅宗五山の一つとして有名な天童寺もあり、仏殿の横にある「雲水堂」の奥には「日本道元禅師得法霊跡碑」が建てられています。ここには日本に臨済宗を伝えた栄西も修行し、画家の雪舟も訪れたことの記録が残されていました。この天童寺から5キロほどのところにある阿育王寺は、やはり中国禅宗五山の一つで、中国の現存する唯一の仏舎利塔(釈迦の遺骨を分骨して納めた塔)があることで有名です。

 陶磁器関係としては杭州市にある南宋官窯博物館を訪れました。官窯は皇帝や皇室に献上する陶磁器を製作する窯で、長さ40メートル余もある登り窯「龍窯」遺跡や数万点にのぼる磁器などの遺物が発見されており、現在遺跡そのものが館内で保存されています。

 このほか、中国十大風景名勝に数えられる西湖遊覧や永福禅寺、紹興酒製造で有名な咸亭酒業、上海では豫園などを見学し、夜は夜で杭州市の歓迎レセプションを連日うけるなど、3泊4日の旅としては慌ただしい日程でしたが、道元禅師と藤四郎の実像に思いを馳せ、あわせて中国文化の奥深さを知ることのできる有意義な旅となりました。飛行機も無い時代に「底板一枚下は地獄」と言われたような簡素な船で、文字通り命がけで日本に進取の文物をもたらした先人たちの苦労と情熱を学び、我々も仕事に、そして人生の中に活かしていかねばならないと実感した4日間でした。

訪中団一行

市民訪問中団一行

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