瀬戸の『心』とお墓事情

2013/06/01
有限会社加藤石材 代表取締役 阪和広

瀬戸には、市の規模の割には数多くの社寺が存在しているのをご存じだろうか。それは、瀬戸には長い歴史があることや、昔から「ものづくり」が盛んであり、職人たちの持つ畏敬の念、つまり、「神」「仏」「自然」「物」に対しての「感謝」や「敬う」という気持ちが、それらを今日まで守り続けているからなのだろう。

ところで、最近インターネットで「神葬祭」なるものが増えてきているということを目にする機会が多くなった。「神葬祭」とは、神道の葬儀のことだが、世代が若くなるにつれて宗教離れが進み、仏教の檀家制度のような密接な関わりを持ちたがらない方が増えていることが要因の一つのようである。

しかし、我々の日常生活の中には、数多くの宗教的行事がある。初詣やお宮参り、七五三、厄祓いなどは神道、お盆やお彼岸、施餓鬼、法事などは仏教、キリスト教の行事であるバレンタインデー、クリスマスに加え、最近ではハロウィンまでも楽しむ。「困ったときの神頼み」で神社にお参りし、結婚式は教会でキリスト像の前で愛を誓う。これほど日常的に「宗教」に深く関わっているのだから、無宗教とは言い難いのではないかと思うが、きっと「どの宗教を信仰しているか」と尋ねられれば、「特にない」と答える人がほとんどだろう。

話がそれてしまったが、神葬祭が増えたといっても、神社でお葬式やお墓参りを目にすることはまず無い。それは、神道では「死」を不浄なものととらえ、神を祀る神域(境内)に不浄を持ちこまないためであるそうだ。だが、神道でもお葬式もすればお墓もあり、仏教とさほど違いはない。参考程度に違いを述べると、神道では焼香を行なわない代わりに、玉串と呼ばれる榊の枝に紙垂(しで)という白い紙がついてものを捧げ、神社でお参りするのと同じ作法でお参りをする。但し、注意したいのは、手を打つときお葬式では「パン、パン」と音を立ててはいけない。忍び手と言って音が出ないようにそっと手を打つ。

また、お墓でも焼香がないため線香立はなく、八足台という供物台を置いてお供えや玉串を乗せる。また、墓石の頭の部分が錘状に尖っているのだが、これは神道における三種の神器の一つ、「天叢雲剱(あめのむらくものつるぎ)」を模した形であるし、「○○家の墓」とは刻まず、「○○家奥津(都)城」(○○家おくつき)と刻む場合が多い。若干の違いではあるが、それぞれに意味を持ち、形を成しているのである。お墓参りの際に、一度注視してみてはどうだろう。

さて、お墓と言えば、瀬戸市営霊園である「春雨墓苑」を、ぜひ、一度見ていただきたい。インターネット上でも取り上げられ、話題となったほどである。市営とは思えないほど整備され、景観も非常に良い。そして、他に類を見ないほどデザイン墓石の種類が豊富だということである。弊社では、春雨墓苑だけでも1000基以上の建立のお手伝いをさせていただいているが、そのうちの半分以上の方が、デザイン墓石をご検討されたり、実際に建立されたりしている。

なぜそれ程までにデザイン墓石が認められたのかは定かではないが、冒頭で述べたように、「感謝」や「敬う」という心があることで、特別な想いを残したいという気持ちから望まれるのか、職人として想いを形にしたいという血が騒ぐのか、、、、いずれにしても、故人の生前の『心』を残し、子孫に伝えたいという思いであるあることに間違いはないだろう。そうした、数多くの『心』に触れ、弔われる側と弔う側の双方の『心』を形にすることに携わらせていただき、勉強させていただいたことに感謝し、これからもお世話になっている瀬戸の方々の為にお手伝いさせていただければと思う。

有限会社加藤石材
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