「ねぎさん」と、たまにお年寄りから呼ばれます。 禰宜(ねぎ)は、昔は神主さんの下、祝(はふり)の上の神職です。
「ねぎ」は、祈ぐ(ねぐ)からきています。まぁ祈るのがお仕事です。が、実は、毎日の一番の仕事は、お掃除であります。
それはさておき、時々あれこれとつぶやくのでお聞きください。
8月12日午後3時50分頃にご本殿の戸締りをしていたら、「ゴーオオー」と聞いたことのないすごい音がしました。すると「たいへんなことになりました」と叫ぶ声がしました。
クスノキの大樹が倒れたのです。原因は根腐れでした。
このクスノキの倒れた地点には、写真のとおり元々灯篭がありました。
その灯篭は、7月29日からの移転工事をして移したばかりでした。
その日は、なんと移転した灯篭の一番上の傘の部分を載せる作業をしており、石屋さんが、正にそれを載せきった瞬間にクスノキは倒れてきたというのです。
その場所には、午前中はデイサービスの車が止まっていました。
昨日であれば、職人さんが、灯篭のあった場所を均す作業をしていました。
クスノキは、玉垣に直角に倒れてくれました。
しかし、玉垣を押し倒すこともあり得たでしょうし、灯篭の移転に合わせ動かした稲荷社の社標が折れていたかもしれません。
考えるとぞっとしてきます。
幸いなことに、人にも車にも被害がなくてすみました。
神様がお守り下さったのでしょう。ありがたいことです。
クスノキは、ずっと考えていたのではないかと思ってしまいます。
「灯篭がどいてくれるまで、何とか頑張ろう」と。
樹が倒れることに遭遇したのはこれで3回目ですが、いずれの場合も、「よくもまあ、こんなにうまく倒れてくれたものだ」と思わず感心してしまう方向へ、被害が出ない場所を選んだかのように倒れています。
長い年月、豊かに茂り杜を潤してくれたクスノキに感謝します。
思慮分別のある倒れ方をしてくれたクスノキに敬意を表します。
ありがとう。
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