けむりのゆくへ

2012/07/19

梅雨あけて、いよいよ夏本番です。蚊取り線香の出番も、愈々増します。先日、ご祈祷にいらしたご家族の小学生低学年の子供さんが、社務所の受付においてある蚊取り線香をもの珍しそうにまじまじと見て、「どうして煙が出ているの」と親御さんに問いかけていました。何せ蚊がいて当たり前の環境ですから、蚊取り線香を知らない、いや、必要のないご家庭もあるのだ、と、その新鮮なまなざしと質問にちょっとびっくりしました。

蚊取り線香

それにしても、「あったらいいな」を形にする○○製薬に、ぜひ作ってほしいものがあります。蚊は、蚊でもやぶ蚊よりもたちが悪く、一年を通して血税を吸う政治「蚊」という蚊を良い蚊、悪い蚊、ちゃんと選考してくれる、大型の蚊取り線香を永田町あたりにおいてほしいものです。

星出宇宙飛行士が、再び宇宙に旅発たれ無事ドッキングに成功し、四か月の滞在で大きな任務を果たす予定とのことです。夜空を見上げ、星々の様々な形に名をつけていた時代から、選ばれた人は二度も宇宙に行く時代であり、原発という人間の制御力を超えたものを造りだすほど科学の進歩は飛躍的なものです。しかしながら、どうして今も昔も人間というものは変わらないのだろう。

たとえば、大河ドラマは源平の争う時代を描いていて、いがみ合い、駆け引き、戦、政の混迷、愛と憎しみ、人間模様は綴れ織りです。そして、今の時代も人はやっていることは変わらない。なぜだろう。ずっと疑問に思い続けたことに、なるほどと合点がいく答が見つかりました。

「人には寿命があるため、個々の心には積み重ねがなく、世代ごとにゼロからの繰り返しです。したがって、社会の成熟と共に、人の心が成熟するとは限りません。」(Rinri Network 7月号より抜粋)

そうなると、たとえ大型の蚊取り線香を置いたところで、善政が次世代に受け継がれることはないことを証明している政治「蚊」さんたちもたくさんいるから、意味のないことかもしれませんね。電気蚊取りの気化している殺虫剤は目に見えません。煙がなくても煙にまかれたように見えにくくなっているのは、むしろ我々のようで、ちょっと生き苦しい感じであります。

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