「ねぎさん」と、たまにお年寄りから呼ばれます。 禰宜(ねぎ)は、昔は神主さんの下、祝(はふり)の上の神職です。
「ねぎ」は、祈ぐ(ねぐ)からきています。まぁ祈るのがお仕事です。が、実は、毎日の一番の仕事は、お掃除であります。
それはさておき、時々あれこれとつぶやくのでお聞きください。
この写真は、9月29日に行われた「招き猫供養祭」のときの写真です。写真の正面の真ん中にいる招き猫は、なんと横浜からやってきました。
このお話は、6月のことになります。
横浜市西区のある老舗のてんぷら屋さんで、40年以上もお客さんをずっと招いてきた招き猫だそうですが、粗相をして落としてしまったそうです。でも、そのまま捨てるに捨てられず、こうした壊れた招き猫をきちんと引き取ってくれるところはどこかにないだろうかとあれこれ探したそうです。そして、とうとうインターネットで「来る福招き猫まつり」のことを知り、神社に電話をくださいました。ただ、そのときお預かりするわけにはいかないので、お祭の開催に合わせて送っていただくように伝えました。
そして、届いたのが9月25日です。
高さ50センチくらいの箱の封を開けるとシンナー臭いので、どうしてだろうかと思いつつ取り出してみると、バスタオルに包まったものがでてきました。その包んだバスタオルをはずすと、接着剤でつぎはぎなった40センチ高さほどの大きな招き猫が現れました。きっと高いところにおかれていたのでしょう、落ちた衝撃でかなり壊れてしまったようですが、丁寧にかけらをつなぎ合わせてあります。包んであったバスタオルもまだ使える清潔なものでした。大切にされていたことが伝わってきます。
「招き猫供養祭」は、休むことなく手を上げ続け、福やお金を招いている猫たちの労をねぎらい、また、壊れてしまった猫に感謝をしようと行われているものです。この横浜の招き猫がどこで作られたがどうは分かりませんが、長年遠い知らない土地で働いて(?)きて、現代の仲取り持ちのインターネットを通じて、はるばる瀬戸へやってきたということは、とてもうれしいことです。招き猫は、人と人との縁も招くのでしょう。
更に、一昨日、この神事に参列していたという方が、そのとき撮ったこの写真をわざわざ持ってきて下さいました。その方は、プロの写真家でした。この横浜の招き猫ちゃんは、また人を招いてくれました。最期にこんな素敵な写真に納まった招き猫は、人徳ならぬ、にゃん徳があるのでしょうね。
うちの生きた招き猫の白ちゃんも健在です。よろしく!
掲載の記事・写 真・図表などの無断転載を禁止します。
著作権は深川神社またはその情報提供者に帰属します。