「ねぎさん」と、たまにお年寄りから呼ばれます。 禰宜(ねぎ)は、昔は神主さんの下、祝(はふり)の上の神職です。
「ねぎ」は、祈ぐ(ねぐ)からきています。まぁ祈るのがお仕事です。が、実は、毎日の一番の仕事は、お掃除であります。
それはさておき、時々あれこれとつぶやくのでお聞きください。
ある芸術家の知人A氏と話をしていたときのことです。「生きていることの、もとのもとは何だと思う」と言われました。A氏曰く「ずっとずっとはるか昔に、突然何かが生まれる瞬間があって、それを表現するとしたら『ふっ』だと思う。例えば、机をたたくとトントンと音がするが、このトントンという音がある瞬間に生まれているわけで、それがエネルギーの生まれることだと思う」
生まれることは、エネルギーがその場所に集まることである。これは、まさに天之御中主神(アメノミナカヌシノカミ)ではないですか!
日本神話のイザナギ、イザナミ二柱の神が国生みをした話は、よく知られていると思いますが、実は、それ以前に造化三神と言われる神様があり、その神たちは生まれるのではなく、独りで現れた神様なのです。私たちの住んでいる銀河系は、気の遠くなるほど遠い昔の宇宙の大爆発で誕生したと聞いた覚えがありますが、そもそもの始まりは混沌としていて何もないのではないか。有ることも、無いことも、区別がつかない中に、A氏の言葉を借りれば『ふっ』と成りたった神様。天之御中主神は、高天原(タカマガハラ)に最初に現れた神様です。天之御中主神は、天、すなわち、宇宙の真ん中いる主。つまり、宇宙を支配するというほどの意味になります。
さらにA氏は「人が人の形をしているが、人は人である前にある物質で、物質を形成するのは、分子であるから、言ってみれば分子の固まり。分子は一つ一つがエネルギーをもっているから、ある人が人の衆目を集めるのも、人心を掌握するのも、その人の放出するエネルギーの吸引力の強さではないだろうか」とも言いました。
少し事柄が違うかもしれませんが、誰かがじっと自分を見ている視線に気づきますし、背後で遠くから呼びかけられたとき、それが自分に対してかけられた言葉だと感知して振り向きます。これらも、見えないエネルギーが放出されていると考えられるのではないかと思います。
これも笑われそうな例えです。「ワープ」という言葉が流行ったことがありました。そうそう、あれは宇宙戦艦ヤマト(古い?)で「ワープ!」と叫んだ瞬間に、炎の動くような、すごいエネルギーを放出しているような動画になります。ヤマトにも乗員にも、たいへんな負荷がかかっている様子でした。
瞬間移動は、固体を形成する物質が分子レベルになって異次元空間を通過することなのでしょうね。もし、これが現実に起こりうるとしたら、バラバラになって元どおりに集まるには、その人がその人であるエネルギーが存在するからと言えるでしょう。こんなことは、ニトリが先かタマゴが先かを考えるよりも、もっと頭の中を混乱させてくれて、そもそもなぜ私がここにいるのだろう?ということになってしまいます。暑い夏もようやくおさまり、涼しさが訪れてきました。哲学するのもよろしいようでございます。
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